猟盤日記20180525

ある時唐突に思い出してヤフオクで落としたレコードが届いた。

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石川ひとみ / パープルミステリー

石川ひとみのファンの高校生が作詞作曲し、デモテープを本人に直接渡して、NHKの「あなたのメロディ」入賞しその後石川ひとみ本人歌唱、松任谷正隆アレンジでレコード化されたという、些か出来過ぎた逸話を持つこの曲、歌詞もメロディもやたらと完成度が高く、当時小学生だったが「高校生が作ったにしては良い曲だよなあ」と友達同士で話した記憶がある。しかし、作詞作曲の川越進氏はその後曲を発表した様子もない。大半を松任谷正隆が直したという説もあるが、今となっては紫煙の向こうのミステリーという他ない。

音盤消費組合 RE-COOP vol.3

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2018/6/9 Sat. 高円寺 コネクシオン 17:30-23:30
CHARGE FREE/DRINK ORDER/ 投銭制
5回目を迎えた音盤消費組合 RE-COOPは、スタディスト・岸野雄一氏を招いての開催。「購入した音盤はDJプレイによって広く共有されなければならない」という理念の元、一同入魂の選曲をお約束いたします。B2Bは当日参加OK。(vinyl /CD/8cmCD推奨 )

 

DJ‘s
二ペイ
西山亮
ブーマー先輩
高橋優衣
トーキー眼科
DJみそぎ落とし
名人
DJダンボー

 

Special Guest DJ
岸野雄一
「ヒゲの未亡人」「ワッツタワーズ」などの音楽ユニットをはじめとした多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗り、東京藝術大学大学院映像研究科、美学校等でも教鞭をとる。近年は、銭湯やコンビニ、盆踊り、運動会などにターンテーブルを持ち込み、地域のあり方のアップデートに取り組む。2015年、『正しい数の数え方』で第19回文化庁メディア芸術際エンターテインメント部門の大賞を受賞。

猟盤日記20180522

渋谷でぽっかり時間が空いて、HMVへ。久しぶりに2Fへ行ってみる。デカい声で常連客相手に自慢話をする店員がどうも苦手で足が遠のいていたが、ここでいいレコを安く引く確率は低くない。床置きのお買い得箱から安レコ2枚。

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アルシオーネ / 愛のサンバ・フェスタ

中学生の頃、歳の離れた兄がFMをエアチェックしたカセットテープをまとめてくれる事があって、何かの場所の最終ラテン音楽特集みたいな番組でMPBっぽい叙情的なサンバ曲が気に入って繰り返し聴いていたのだけれど、MC部分がカットされていたため、曲の情報が全くわからなかった。兄に尋ねても「知らん」の一言。その曲がアルシオーネというブラジルサンバ界の美空ひばり的なシンガーのものだと知るまでに15年、昨日のレコ入手まで35年かかった事になる。 

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V.A. / On A Clear Day IRMA bossa lounge compiled by Tatuo  Sunaga

2001年発売の須永辰緒によるIRMAコンピ。いい曲しか入ってないのにめちゃくちゃ安い。状態も悪くない。どうしてだろう。コンピをDJで使うのは恥ずかしいという謎の文化のせいだろうか。私はそういうプライドとは無縁でまったく気にしないので使います。

HMVを出てまだ時間があったので、かなり久しぶりにFace Records に。覗くだけのつもりが大きめの買い物をするハメに。

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Ebonee Webb / ディスコ花笠音頭 • 相馬盆唄 ―メンフィス・ディスコで日本民謡

OTOMISANでおなじみのエボニー・ウェッブによるカタコトディスコソウル民謡の第二弾。メンフィスソウルっぽいハーモニーが美しい。B面のIsn’t She Lovely のパクリアレンジの「炭坑節」がちょっと感動するくらいに素晴らしい。ネットではエライ値段になっていることもあるが、再発新譜LP並みの値段で出ていた。お店の方によるとこれがウケる層は意外に薄いのでこれくらいの価格が妥当なんだとか。すっごいイイんだけどなあ。

 

 

猟盤日記20180521

焼き鳥の匂いが立ち込める溝の口の西口商店街。飲み屋が軒を連ねる中に一軒古本屋がある。

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明誠書房の存在は昔から知っていたが、ここがレコードを扱っていたことには、何故か気がつかなかった。安売りの文庫やマンガが並ぶ片隅に7インチとLPが入った箱が置かれていた。めぼしいものはなかったが、店内に入るとレコの詰まったダンボール箱が目に入り、「おおっ!」と声を上げて漁ろうとしたら、「それ、まだなんだよ。奥から見て」と店主。奥にはジャンル別になったレコ箱が並んでいた。アニメだけは何故かやたらと高値だが、洋画サントラや洋楽はお買得っぽいものが満載だったが、給料日前なのでグッと堪える。7インチ箱も2、3あってわりと面白いものが入っていたが、価格もそれなりのものが多い。とりあえず7インチの百円盤を一枚抜く。

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太田貴子 / 忘れチャイナの青い鳥

クリーミィマミで人気を博した太田貴子の86年作。作曲編曲が都倉俊一。忘れチャイナというフレーズから中華風歌謡を期待したが、割と王道の80‘sポップス。中国音階も使われていない。アニメ関連という事で高値がついてもおかしくないが、なぜか百円。

猟盤日記20180519

新橋の古本市で喜納昌吉&チャンプルーズの「ハイサイおじさん」が売っていたが、値が高く手が出なかった。その時ふと思い立ってスマホ検索しAmazonで注文したレコードが届いた。

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French Frith Kaiser Thompson / Live,Love,Larf&Loaf

30年前FM東京いとうせいこうがディスクジョッキーをしていた「FMブランニューウェーブ」という藤原ヒロシ松沢呉一押切伸一らが雑多な最先端情報を紹介する番組があって、インターネットのない時代に貴重な情報源として聴いていたのだけれど、そこで紹介されたものの中でもとりわけインパクトがあったのがこのレコードだった。来日中にパイドパイパーハウスに立ち寄ったヘンリー・カイザーが店内で流れていた「ハイサイおじさん」に衝撃を受けて、その場で歌詞をローマ字で書き取り、カバーしたという逸話と共に紹介された。カタコトながら情熱と愛に満ちたカバーに深い衝撃を受けて、翌日すぐに青山にパイドパイパーハウスという店を探したが見つけられず、仕方なく六本木WAVEにいくも品切れで入手出来なかった。今では気になった曲は5分もかからず見つけ出して注文出来るが、当時はほとんど入手出来ないし、そういうニッチなものを扱うレコ屋を探し出す術もなかった。あったのかもしれないが、自分にはそういう才能がなかった。このレコードも自分が手に入れることは出来ないだろうと諦めていたが、今になってこんなにあっさり入手出来て本当に驚いてしまう。しかも喜納昌吉より安く。伝説の店だったパイドパイパーハウスも今ではタワレコに出店さえしている。ここ5年くらいでレコードは本当に探しやすくなった事を思い知らされた。

猟盤日記20180518

高円寺のディスク・ブルーベリー初訪問。なんともセンス良く「レコードのセレクトショップ」とは良く言ったものだ。高めの盤で欲しいものがいくつかあったが、グッと堪えて安レコ2枚。安レコも充実しているのが良い。

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 岩崎宏美 / ファンタジー

和モノガイドにも載っていて、外国人にも人気という定盤。「Youは何しに」で例の彼が日本人の友達にプレゼントしたのも記憶に新しい。見かけないこともないが安値で買いたいのでスルーを続けていた一枚。ドラムブレイクがカッコいい糸居五郎のDJから「キャンパスガール」に入るくだりが最高。

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ジョー・ジャクソン / ステッピンアウト

80年代、数知れぬ男達のカーステレオを揺らしたのアーバン代表曲。イベントの終わり近くにかかると異様に盛り上がる。いま聴いても不思議と古さを感じない。

 

 

猟盤日記20180517

新橋駅前の古本市へ。気のせいかレコードを扱う店が増えつつあるような。

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鮫肌文殊さんがここで色鉛筆の「嗚呼 深紅の旗東京に還る」を二百円で掘り当てたと聞いて、ほんのちょっと期待していたが当然ながらそんなに甘い話はない。何も買わないのもなんなので辛うじて一枚抜く。

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相楽晴子/ブレード・ランナー

どことなくレイチェル感がなくもないジャケでこのタイトルなので、ヴァンゲリスっぽいサウンドを期待するのだけれど、ユーロディスコっぽい曲でレプリカント感は皆無。しかも作詞作曲は外人。どういう事かとググッてみたら10年以上も前に町山智浩さんが言及していた。

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/touch/20051220

ユーロディスコのカバー曲らしい。モヤモヤするがなかなか良い曲ではある。

その後新宿に移動してユニオンレコードを初訪問。掘り尽くされて草一本生えてない。HMV新宿アルタの百円箱でも覗いて帰ろうかと思ったが、百円箱コーナーごと消えていた。とりあえず新譜を一枚買ってみる。

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ピチカート・ファイヴ / 女王陛下のピチカート・ファイヴep

学生の頃通い詰めたいまのメガドンキの所にあったHMV渋谷を思い出す。音楽センスの良い先輩たちが、やおらピチカートピチカート言い出して聴いてみたのが「女王陛下のピチカートファイブ」。「夜をぶっとばせ」のカッコ良さにコロッとやられた。なので買わざるを得ない。