猟盤日記20180522

渋谷でぽっかり時間が空いて、HMVへ。久しぶりに2Fへ行ってみる。デカい声で常連客相手に自慢話をする店員がどうも苦手で足が遠のいていたが、ここでいいレコを安く引く確率は低くない。床置きのお買い得箱から安レコ2枚。

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アルシオーネ / 愛のサンバ・フェスタ

中学生の頃、歳の離れた兄がFMをエアチェックしたカセットテープをまとめてくれる事があって、何かの場所の最終ラテン音楽特集みたいな番組でMPBっぽい叙情的なサンバ曲が気に入って繰り返し聴いていたのだけれど、MC部分がカットされていたため、曲の情報が全くわからなかった。兄に尋ねても「知らん」の一言。その曲がアルシオーネというブラジルサンバ界の美空ひばり的なシンガーのものだと知るまでに15年、昨日のレコ入手まで35年かかった事になる。 

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V.A. / On A Clear Day IRMA bossa lounge compiled by Tatuo  Sunaga

2001年発売の須永辰緒によるIRMAコンピ。いい曲しか入ってないのにめちゃくちゃ安い。状態も悪くない。どうしてだろう。コンピをDJで使うのは恥ずかしいという謎の文化のせいだろうか。私はそういうプライドとは無縁でまったく気にしないので使います。

HMVを出てまだ時間があったので、かなり久しぶりにFace Records に。覗くだけのつもりが大きめの買い物をするハメに。

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Ebonee Webb / ディスコ花笠音頭 • 相馬盆唄 ―メンフィス・ディスコで日本民謡

OTOMISANでおなじみのエボニー・ウェッブによるカタコトディスコソウル民謡の第二弾。メンフィスソウルっぽいハーモニーが美しい。B面のIsn’t She Lovely のパクリアレンジの「炭坑節」がちょっと感動するくらいに素晴らしい。ネットではエライ値段になっていることもあるが、再発新譜LP並みの値段で出ていた。お店の方によるとこれがウケる層は意外に薄いのでこれくらいの価格が妥当なんだとか。すっごいイイんだけどなあ。

 

 

猟盤日記20180521

焼き鳥の匂いが立ち込める溝の口の西口商店街。飲み屋が軒を連ねる中に一軒古本屋がある。

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明誠書房の存在は昔から知っていたが、ここがレコードを扱っていたことには、何故か気がつかなかった。安売りの文庫やマンガが並ぶ片隅に7インチとLPが入った箱が置かれていた。めぼしいものはなかったが、店内に入るとレコの詰まったダンボール箱が目に入り、「おおっ!」と声を上げて漁ろうとしたら、「それ、まだなんだよ。奥から見て」と店主。奥にはジャンル別になったレコ箱が並んでいた。アニメだけは何故かやたらと高値だが、洋画サントラや洋楽はお買得っぽいものが満載だったが、給料日前なのでグッと堪える。7インチ箱も2、3あってわりと面白いものが入っていたが、価格もそれなりのものが多い。とりあえず7インチの百円盤を一枚抜く。

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太田貴子 / 忘れチャイナの青い鳥

クリーミィマミで人気を博した太田貴子の86年作。作曲編曲が都倉俊一。忘れチャイナというフレーズから中華風歌謡を期待したが、割と王道の80‘sポップス。中国音階も使われていない。アニメ関連という事で高値がついてもおかしくないが、なぜか百円。

猟盤日記20180519

新橋の古本市で喜納昌吉&チャンプルーズの「ハイサイおじさん」が売っていたが、値が高く手が出なかった。その時ふと思い立ってスマホ検索しAmazonで注文したレコードが届いた。

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French Frith Kaiser Thompson / Live,Love,Larf&Loaf

30年前FM東京いとうせいこうがディスクジョッキーをしていた「FMブランニューウェーブ」という藤原ヒロシ松沢呉一押切伸一らが雑多な最先端情報を紹介する番組があって、インターネットのない時代に貴重な情報源として聴いていたのだけれど、そこで紹介されたものの中でもとりわけインパクトがあったのがこのレコードだった。来日中にパイドパイパーハウスに立ち寄ったヘンリー・カイザーが店内で流れていた「ハイサイおじさん」に衝撃を受けて、その場で歌詞をローマ字で書き取り、カバーしたという逸話と共に紹介された。カタコトながら情熱と愛に満ちたカバーに深い衝撃を受けて、翌日すぐに青山にパイドパイパーハウスという店を探したが見つけられず、仕方なく六本木WAVEにいくも品切れで入手出来なかった。今では気になった曲は5分もかからず見つけ出して注文出来るが、当時はほとんど入手出来ないし、そういうニッチなものを扱うレコ屋を探し出す術もなかった。あったのかもしれないが、自分にはそういう才能がなかった。このレコードも自分が手に入れることは出来ないだろうと諦めていたが、今になってこんなにあっさり入手出来て本当に驚いてしまう。しかも喜納昌吉より安く。伝説の店だったパイドパイパーハウスも今ではタワレコに出店さえしている。ここ5年くらいでレコードは本当に探しやすくなった事を思い知らされた。

猟盤日記20180518

高円寺のディスク・ブルーベリー初訪問。なんともセンス良く「レコードのセレクトショップ」とは良く言ったものだ。高めの盤で欲しいものがいくつかあったが、グッと堪えて安レコ2枚。安レコも充実しているのが良い。

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 岩崎宏美 / ファンタジー

和モノガイドにも載っていて、外国人にも人気という定盤。「Youは何しに」で例の彼が日本人の友達にプレゼントしたのも記憶に新しい。見かけないこともないが安値で買いたいのでスルーを続けていた一枚。ドラムブレイクがカッコいい糸居五郎のDJから「キャンパスガール」に入るくだりが最高。

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ジョー・ジャクソン / ステッピンアウト

80年代、数知れぬ男達のカーステレオを揺らしたのアーバン代表曲。イベントの終わり近くにかかると異様に盛り上がる。いま聴いても不思議と古さを感じない。

 

 

猟盤日記20180517

新橋駅前の古本市へ。気のせいかレコードを扱う店が増えつつあるような。

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鮫肌文殊さんがここで色鉛筆の「嗚呼 深紅の旗東京に還る」を二百円で掘り当てたと聞いて、ほんのちょっと期待していたが当然ながらそんなに甘い話はない。何も買わないのもなんなので辛うじて一枚抜く。

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相楽晴子/ブレード・ランナー

どことなくレイチェル感がなくもないジャケでこのタイトルなので、ヴァンゲリスっぽいサウンドを期待するのだけれど、ユーロディスコっぽい曲でレプリカント感は皆無。しかも作詞作曲は外人。どういう事かとググッてみたら10年以上も前に町山智浩さんが言及していた。

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/touch/20051220

ユーロディスコのカバー曲らしい。モヤモヤするがなかなか良い曲ではある。

その後新宿に移動してユニオンレコードを初訪問。掘り尽くされて草一本生えてない。HMV新宿アルタの百円箱でも覗いて帰ろうかと思ったが、百円箱コーナーごと消えていた。とりあえず新譜を一枚買ってみる。

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ピチカート・ファイヴ / 女王陛下のピチカート・ファイヴep

学生の頃通い詰めたいまのメガドンキの所にあったHMV渋谷を思い出す。音楽センスの良い先輩たちが、やおらピチカートピチカート言い出して聴いてみたのが「女王陛下のピチカートファイブ」。「夜をぶっとばせ」のカッコ良さにコロッとやられた。なので買わざるを得ない。

 

 

猟盤日記20180516

仕事も無事一段落したので渋谷レコファンへ。エレベーターホールのジャンク箱を漁るも、大した成果は得られず何とか百円箱から一枚抜く。

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Monday Michiru / You Make Me

90年代の東京のクラブジャズイベントでは、かなりの高確率でMonday Michiru が出ていて何度もライブをみた記憶はあるのだけれど、今にいたるまでちゃんと聴いていないことに気がついた。この曲は1998年のヒット曲らしいが、全然聴いたことがなかった。部屋で流していたら家内から「めずらしくイイ曲掛けてるわね」と言われて複雑な気持ちになる。

猟盤日記20180515

放送直前にいろいろ不具合が発覚し、急遽渋谷の編集スタジオに。早く着いたので11時から30分だけHMV渋谷に。新譜をチェックした後、時間がないので百円箱を覗くのはやめようと思いつつ、チラ見したらいろいろ投入されてるっぽい。ちょっとだけ覗いたら、結構すごい品揃えで汗をかく。いろいろ気になる盤があったがとりあえず一枚だけ抜いてスタジオへ。

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Le Mistral / 青い地平線

筒美京平作曲編曲の名曲シティポップ。コンビニDJのアフターパーティーでDJダンボールが掛けていて欲しくなった。声がブレバタっぽいけど別人なんだろうか。B面はハワイアンぽいメロディのディスコ。百円で買える名盤だが、欲しくなるとなかなか見つからない。

後ろ髪引かれる思いで編集スタジオへ。すぐ終わるはずの作業がなかなか終わらず、結局夕方近くまでかかる。急いでHMVに戻るもだいぶ触られた形跡があった。気になっていた古谷一行の「三軒茶屋」は抜かれており激しく後悔。気を取り直し10枚抜く。

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渋谷哲平 / ヤングセーラーマン

ヴェレッジピープルの「インザネイビー」のカバーといえば「ピンクタイフーン」だが、最近の和モノイベントではこっちの方が人気が高いような気もする。コンビニDJでは秘密博士が、音盤消費組合ではブーマー先輩がかけていた。通常の和モノ棚にも300円で並んでいたが、こっちの方が状態が良い気がする。HMVの百円箱ではたまにこういう事が起きる。

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ふとがね金太 / 女はMissを許さない

ツイストのふとがね金太のソロ。「男たちよ 恋のイロハを勉強せー」の歌い出しが爽快なロックンロール。コミカルな歌い出し以外は割と二枚目ロックンロールなのがふとがね金太っぽくて良い。名曲。

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城みちる / イルカにのった少年

広島のローカルタレントとして今も活躍しているらしい城みちるの最大のヒット曲。アレンジ、歌詞、メロディ、どれをとっても文句なしの名曲。「君に君に会うためやってくる」のくだりは失神しそうに素晴らしい。これだけの大ヒット曲なのになかなか百円箱では見かけない。

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大信田礼子 / 女の学校

セクシーグルーヴ歌謡の大名曲が百円で!まあジャケ無しだからなんですが。ジャケはネットで拾った画像をプリントしたものです。

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DUB MASTER X / DUB WA SELF REMIX vol.8

1996年発売のDUB MASTER X による松田聖子「あなたに逢いたくて」のブートリミックス7インチ。結構高値で出してる店もあるのに、なぜか百円箱に。これだからレコードはわからない。

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菅野政敏/棚の上に置かれた望み

今回の目玉はコレ。フォーク歌手として分類される菅野政敏によるジャズ歌謡。めちゃくちゃカッコいい。アレンジは萩田光雄。少年隊の「まいったネ、今夜」あたりと合わせて掛けたい。ジャケデザインも色づかいがどことなく今っぽい。そもそもさほど高いレコードではないが、白盤のほとんど針を落とした形跡のないピンピンの状態。なぜこれがジャンク扱いなのか。