猟盤日記20190207

20年以上求めていた盤をついに入手。実は手に入れる機会は結構何度もあったのだけれど、その度に悩みに悩んで「自分にはまだ早い」と敬遠してしまっていた。今回久々の遭遇に当たりついに覚悟を決めた。

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平岡精二 / ナイトクラブの片隅で

日本のヴィブラフォン奏者の先駆的な存在として知られ、「爪」や「あいつ」などのヒット曲を手がけた平岡精二の本人歌唱アルバム。ペギー葉山とは青山学院の先輩後輩で、恋人同士でもあったらしい。佐野元春佐藤奈々子も青山の先輩後輩カップルだったよな。平岡はペギーと別れた後も彼女の事が忘れられず生涯独身を貫いた。旗照夫に歌わせた「あいつ」はペギー葉山に向けたメッセージソングとも言われており、本人歌唱で聴くとより味わい深い。「謎の女B」は平岡の怪しげなスキャットが炸裂する珍品歌謡として知る人ぞ知る存在だったが、エゴラッピン渚ようこがカバーして今では昭和歌謡の代表曲のひとつになった感もある。そして名曲「よう子ちゃん」。静かな狂気を湛えたその作品世界を岸野雄一さんのミックステープ経由で知った時は恐ろしい世界の裂け目を覗いてしまったような心地になったものだけれど、CD化もされているので今となっては音源入手自体はそれほど難しくはなくなった。しかしこうしてオリジナル盤を我が家にお迎えする事になるとは全く不思議な気分だ。