猟盤日記20170722
坂本九のキャピタル盤「Sukiyaki 」を手に入れておきたくなったのだが、国内ではなぜか中々見つからず、Discogs で格安でミント盤を出品しているアメリカのコレクターがいたので購入。するとすぐにメッセージが来て「ミントは表記ミスで現状はVG+だったのでお詫びに2ドルに値下げするけど買いますか?」とメッセージが。「VGで構わないので買いますよ」と返すと、その翌日「ミント盤を友達から譲ってもらえたので、送ります。いい曲だからいい音で聴かないとね」と返信が。このコレクターのレコード愛をひしひしと感じ、胸が熱くなった。
送られて来たのはその言葉通り、傷ひとつない音質最高のミント盤でした。B面の「TANKOBUSHI」(九ちゃんの炭坑節)狙い。素晴らしいの一言。
これを購入したのと同時に探したのが、こちらの一枚。
Percy Faith「The Music of Brazil!」
ハードオフとかくまなく探せばきっと100円で見つかる盤だけど、もうちょい出して良い状態のものを入手。このA面一曲目の「Aquarela do Brazil」が、「Tankobushi」と誂えたようにぴったり繋がるので、ここは音質を揃えておきたかった。どっちを前にしても繋がるのがスゴイ。
岸野雄一さんらが昨年から関わっている高円寺の大和町八幡神社大盆踊りに行った。
折坂悠太が櫓の上でライブをするなど良い雰囲気。夜店にレコード店が出店していたのでちょっとのぞいてみたらこの一枚が。
Perrey-Kingsley「The In Sound From Way Out!」
言わずと知れたペリキンの名盤が600円!状態も決して悪くない。なんとも良い買い物をした。
猟盤日記20170718
吉祥寺でレコ屋めぐり。まずはコピスのHMVに行ってみたが、面白そうなレコードはあるものの、どれも値付けが辛すぎて見ているうちに気持ちが沈んできてしまった。人を滅入らせる値付けというものは確実に存在する。珍しく何も買わずに退店。
以前15分くらいしか見られなかったココナッツディスク吉祥寺を再訪。HMVに比べるととても人間味溢れる値付けで、気持ちがみるみるうちに上向いてきた。値付けが真っ当で店の哲学が感じられるのなら、高くてもこの店で買おうと思うし、実際買う。何枚か気になるレコードを抜いてみたが、プレイヤーの故障なのか試聴が出来ず、結局安めの一枚だけ購入。
柴田多映子「Yesterday is gone~過ぎ去りし日々」
尾崎亜美によるA面は鳥のさえずりからハードなサビに転じるドラマティックな曲。松尾清憲によるB面の「モスコミュールアーベント」はムーディーなニューウェーブ歌謡。
またコピス方面へ戻り、ディスクユニオンへ。ここもHMVと対照的な優しい値付けだった。何枚か気になる盤を試聴して2枚購入。
欧陽菲菲「うわさのディスコクイーン」
B面の「ラブイズオーバー」が後に大ヒット曲になったことで知られる一枚だが、A面が歌詞もメロも歌唱もとにかく最高。一生ものの一枚になりそう。
モコ・ビーバー・オリーブ「海の底でうたう歌」
シリア・ポール在籍のトリオ。20年くらい前はとんでもない値がついていたこともあるレコードだが、最近値が下がりやっと手の届く盤になった。
猟盤日記20170717
仕事の合間にぽっかり空いた時間を利用して、下北沢ディスクユニオンへ。何故か良く使っている盤や気に入っている盤はここで引いたものであることが多い。定期的に某有名DJの放出品と思しきラインナップが大量に100円箱に入ることがあり、手放すことになった理由などを考えながら漁るのが楽しい。
水沢京子「涙・おもいで・砂山」
ジャケのインパクトがすごいキングレコードの委託プレス盤。サイン入りのブロマイド付き。本人が手売りしていたものだろう。B面の「十九の恋歌」は「十九の春」をライトなタッチに改変した良曲で、ほんわりと沖縄風味なのが中々に良い感じ。ヤフオクではなぜか4000円の値がついていたが、100円が妥当だろう。
大川栄策「刑事」
古賀政男作曲の刑事演歌。歌詞も素晴らしく味わい深い。トレンチコート姿で刑事に扮した栄策が張り込みをしているジャケがインパクト大。何かの主題歌なんだろうかと思ったらそうでもないらしい。純粋な刑事愛をひしひしと感じる。持ってるだけで心が豊かになる一枚だ。
ムーディー松島「ひとりぼっちの軽井沢」
死んでもいいといいながら、1人軽井沢でゴルフを続ける男の情景を歌った曲。B面の「男、涙のブルース」も素晴らしい。いわゆるダブルサイダー。
エミー・リン「恋上手」
テレサ・テンフォロワーのカタコト歌謡。荒木とよひさ/三木たかしの本家コンビなのでテレサの妹分というのが正しい表現だろうか。日本の歌謡曲に根強い伝統としてあるカタコト歌謡の系譜とスナックの外国人ホステス増加の相関関係を誰か調べてほしい。
猟盤日記20170713
人生の岐路というべき出来事があったので、その記念ということでずっと欲しかった一枚を入手することにした。
ダークダックス「ビール、もう一本」
全曲を平岡精二が手がけており、演奏も平岡精二クインテットによるもの。「僕のピアノの側においで」「夢を見過ぎないで」「つかれ」「野良猫」など数々の名曲が収められている。表題の「ビールもう一本」は音頭もので、歌詞も含めて味わい深い。探している人も多くオークションではあっという間に値がハネ上がり過去2回ほど落札を断念している。Discogsでサンクトペテルブルクのコレクターが出品しているのを見つけ、中々の値がついていたのだけれど、今回思い切って購入を決めた。ロシアから買うというのも、このレコードにふさわしいエピソードかなと思う。郵便事情が悪いと評判の国なので到着までには1ヶ月を要した。荷をほどき泥水に浸かっていたかのような汚れ具合を見た時には気が遠くなったが、懸命に洗浄したら音はそれほど悪くなかった。細かいキズもあり多少のチリパチは残ったが、それもこのレコードにはふさわしいような気がする。真夜中に繰り返し針を落とす一枚になりそうだ。
猟盤日記20170712
渋谷でお仕事の帰りHMVを覗く。いつもは7インチに直行なのだが、今日はなんとなく12インチからチェックしていく。
コーネリアス「Star Fruit Surf Rider(single version)」
マタドール盤の12インチ。割と安値で出ていたので抜いてみた。Aphex Twin のドラムンベース的なアレンジで90年代っぽい音なのだが、不思議と古びないのは、どこかに堂々たるポップス感というか歌謡曲感のようなものがあるからだと思っている。もう20年も前のリリースなんて信じられない。
「トマトイッパツ」収録のスペクトラムの1st。いわゆる名盤。これも安く出ていたので抜いてみた。スペクトラムはわかりやすいAW&Fリスペクトなのだけれど、今は誰もそんな風には聴いていない。アース感というのもまた現在では歌謡曲感に内包されているからだろうか。
7インチも一枚抜いた。
ムシ声系の亜流として人気の高いトッポジージョ。ジャケがないのでかなり安値になっていた。藁半紙にタイトルとレコード番号がかかれた紙が入っていた。B面の「トッポジージョのワンツーかぞえうた」が音頭ものでなかなか素晴らしい。
猟盤日記20170711
北口と南口に一件ずつあるとのことで、まずは北口へ。
思っていたよりも狭めの店内で、とりあえず7インチ箱を見る。しかしタイミングが悪かったのか、どこにでもあるような品揃えで珍しいレコードはまったく見つからない。100円箱クラスのレコードに軒並み300円以上の値付がされていてゲンナリさせられる。たまに登場するレア盤は誰が買うんだレベルの値段で、なかなかに忍耐を必要とするDigだった。LPも同じく厳しい状態だったが、こんな時こそ意地でも抜かねばと却って気合が入ってくる。ようやくお手頃価格のレコを見つけ2枚抜く。
バービーボーイズ「3rd.BREAK」
バービーボーイズ「Listen!」
それほど安くはないが、いつか買おうと思っていたのでまとめて抜いてみた。
まあ、レコードヤクザか何かが通り過ぎた後だったのだろうと自分に言い聞かせ退店。
せっかく遠くまで来たので南口店も覗いてから帰ろうと移動するが途中で「ほんやら洞」に遭遇。
美味しいチキンカレーとラッシーをいただく。店内BGMはボブ・マーレー「Get Up Stand Up」だ。忘れかけていた中央線ラスタファリズムに触れ、ほっこり。
そこからすぐ近くに南口店があった。
広めの店内にレコードがぎっちり並んでいてテンションが上がる。7インチの量はかなりなものがある。面出ししているレコードのレベルも高い。
安レコもそれなりにあった。
小堺一機と佐野めぐみ「今夜だけ少年に帰りたい」
安レコ箱にあれば買うレベルになりつつある小堺一機。最も欲しかった一枚を安レコで引けてよかった。ラウンジ歌謡とシティポップのミッシングリンクを紐解く上で重要案件になりつつある盤ではないだろうか。バブル風味をプラスしたラウンジ歌謡感が素晴らしい。B面は小堺一機が得意なスイング歌謡。
井上和彦「あいつは噂のバイシクル」
「美味しんぼ」の山岡役でおなじみの声優井上和彦の1stシングル。まったく知らないレコードだったが、タイトルとジャケのインパクトがハンパない。アレンジ、歌詞、メロディ、コーラスがどれもがいなたい感じで絶妙なハーモニーに唯一無二さを感じずにはいられない。
二科恵子「恋のキラキラダンス」
これはB面の「ミッキーマウスメロディ」狙いで。どこかで一度だけ聴いたことがあったのだが、まったく素性がわからず探すに探せなかったが、こんな形で再会出来るとは。サビのスキャットは一度聴いたら脳から離れなくなる程の強い中毒性がある。クレジット上は海外のカバー曲ということになっているが、元曲は調べてもよくわからず、アーティストの素性や、なぜミッキーマウスなのかを含めいろんな意味でミステリアスな一枚。安レコではないが市場価格より安く出ていた。
結果的にいうと珍屋は素晴らしいレコ屋でした。
帰り際に駅前の「多古屋」という店に。入ってから20年ぐらい前に来たことがあるのを思い出した。タイムサービスの一杯100円のチューハイを飲みつつ鯵のなめろうを。
猟盤日記20170629
以前、新橋にはレコ屋がなくてつまらないと書きましたが、実はいい感じのお店があるのだと聞き、訪ねてみました。
しかもあの中銀タワーの近くに。
中銀タワーの近くということは
あのアンダーグラウンド中華・帝里加の近くでもある訳です。
一瞬レコ屋とは思えない外観。
しかし、
ここがキキミミレコードでした。
小さなお店ながら50円から300円の価格別安レコ箱があったりして最高でした。
デュークエイセス「浦安市民の歌」
いずみたく作曲の地元ソング、ディズニーランドの影もない時代の浦安賛歌。
言わずと知れたアレ。相場より高めだったのですが、これも何かの縁だと抜いてみました。
吉田拓郎「流星」
昔から深夜ラジオとかで良く流れていたこの名曲が鈴木茂案件だとは知らなかったので抜いてみました。
時間がない中の慌しい訪問でしたが、次はゆっくり見てみたいです。